文月悠光さんとTAE

主として首都圏在住の山口県山口市ゆかりの人の交流会、山口七夕会に参加した。


その会でゲストに呼んだのが、詩人の文月悠光さんだった。今年の二月に山口市主催の中原中也賞を受賞した関係で実現したそうだ。


はずかしながら文月悠光を知らなかったので、どんな人なのだろう・・・と思っていたら、何と19歳になったばかりの女の子、現在大学生だったのでびっくりした。そういえば、新聞だったかテレビのニュースで聞いたことあったな・・・本名は言わない。それと、出身地が札幌ということでも、少々親近感がわいた。


講演のテーマは「〜詩よ、ことばにならないで。〜」であった。あれっ、詩って、ことばにするんじゃないの?このテーマ、どういう意味なのかな???


この疑問は彼女の講演を聴いて(聞いてではなく聴いて)・・・解けた。当然、そのようなことばは使わなかったが、彼女の詩のもとになっていたのは、彼女のフェルト・センスだったのだ。講演の中で、「からだの感じ」というようなことばを何度も使っていたことからも、ボクはそう思った。


彼女のことばの使い方が、すごかった。どのようにすごかったかは、ボクの文章では残念ながら表現できない。しかし、思いだした。TAEでおこなう概念の交差にひじょうに似ていると!一般には想定できないことばが突然現れてくる感じ。それでいて論理は完璧に構築されている。


自分の詩二編と中原中也の詩、一編を朗読してくれた。これがすごかった。朗読モードに入るなり、まるで人が変わったように、その詩の世界に入って行った。高校生の頃、演劇部にいたそうだが、それにしてもすごかった。


当然、詩集を買ってサインをしてもらった(笑。)題名は「適切な世界の適切ならざる私」


まったく予期しなかった、幸運にめぐり会った山口七夕会だった。