Natalieとみすゞさん5 −名前−

Natalieの"Be Specific"は万物につけられる名前の話だ。そこに以下のような一節があった(ちょっと気取って訳を若干いじっている。)


「約10年前のこと、私は、身近な植物や花の名前を覚えたいと思った。図鑑を買って、葉、 樹皮、種を観て、本に出ている説明と合わせながらボルダー(Boulder)の並木道を歩いた。楓、ニレ、オーク、ニセアカシア。そこで働く人たちにしゃべりかけ、通りに咲く花々、立っている樹木の名前を聞いてみた。でも、驚いた。ほとんどの人は、自分が生活しているほんの一区画に生きている植物の名前を知らないんだから。
 名前を知ることは、私をもっと大地に引き寄せること。心の中の霞を取り払い、私を大地と結びつける。通りを歩き「ハナミズキ」「レンギョウ」を見つけたら、私はもっとその場に優しくなれる。私は、周りの木々花々に気がついて、それらに名前をつけられる。そして、私は、もっと目覚めていく。」


美しい文章だなあ。僕も、図鑑を買って草花・樹木の名前を知りたいと思ったことが過去何度かあった。しかし、植物図鑑で、目に飛び込んでくる植物の名前を見つけるのは難しい。専門家に聞いても、「そうそう、難しいよね」という返事が返ってきた。がっかり…(笑い。)


そうか…名前かあ…名前は大切だよなあ…と思いにふけっていたとき、みすゞさんの「花の名まえ」を思い出した。


全6連の詩で、第4連目に
「母さんにきいても、母さんも、
 町にいるから、知らないの。
 いつも私はさみしいの。」
とあり、6連目に
「ひろい田舎の野を駆けて、
 いろんな花の名を知って、
 みんなお友だちになれるなら。」
で終わる。


Natalieは、名前を知って、「その場に優しくなれる(原文は、I feel more friendly toward the environment)」と書いた。みすゞさんは「みんなお友だちになれるなら。」と書いた。


何か、構造が同じだよね!