Wang Wei(王維)2
Natalie本での、もう一つの王維の五言絶句。英訳タイトルは「LILY MAGNOLIA ENCLOSURE」である。
おお、ここでもマグノリアか!よく出現するなあ、マグノリア!アメリカではかなり好かれる樹木/花のようだ。
でも、これ王維。中国でもよく鑑賞されていたのだろうね。このタイトルは「木蘭柴」。昨日Natalie本で「元二の安西に使ひするを送る」見つけたとき、このpoemも気になっての原文も探したが、昨日はうまく見つけることができなかった。今日、グーグルのキーワードを工夫して検索したところ、やった、見つけた!
http://kanbuniinkai.web.fc2.com/02mosen20.html
題名は「木蘭柴」。木蘭は木蓮の別名だそうだ。樹木図鑑によるとシモクレン(紫木蓮)は中国原産なので、中国でシモクレンはポピュラーな樹木であり、皆から愛される樹木なのであろう。なんせ、王維の時代から詩に詠まれるくらいだから。英訳と日本語書き下し文を挙げてみる。
The autumn hill gathers the remaining light
秋山(しゅうざん)は余照(よしょう)を歛(おさ)め、
A flying bird chases its companion before it
飛鳥(ひちょう)は前侶(ぜんりょ)を逐(お)う。
The green color is momentarily bright
彩翠(さいすい) 時に分明(ぶんめい)にして、
Sunset mist has no fixed place
夕嵐(せきらん)の処(お)る所無し。
いやあ、2つ(3つ)並べるとよくわかる(笑い。)日本語書き下し文だけではわからないところが英訳でよくわかる!とても鮮明な映像が浮かぶ。
夕嵐というのは夕方の靄のことなのだそうだ。だから、sunset mist。日本で云う嵐は、雨嵐!英語ではちゃんと書いている(笑い。)彩翠にしても、漢字を見れば鮮やかな感じは分かるが、これが即、green colorであることは、かなりの読み手でなければわからないだろう。僕はわからなかった。しかし英語だと単語そのまま!単刀直入、direct! 漢文を英訳と日本語書き下しの3つ対比しながら読むって面白いね。
それにしても、マグノリア。アメリカで愛され、中国で愛される紫木蓮。花期は3月から4月という。桜の前だ。とかく、我々は春を桜で実感しがちだが、その前にしっかりと、紫木蓮が白木蓮がいる(次に、ツツジがいる。)冬から初春へ、初春から晩春、そして初夏へ。花は移り、木々は新緑から深緑へと変化していく。
季節は移り、そして命は生きる。