できるようになること

2月24日(水)、これまで約13年間、散々苦労してきた(ちょっと大げさだけど)フルートの音が劇的に変わった(音色転移。)これまで出たことのないような、フルートが本来持っているような音にちょっぴり近づいたのだ。それはレッスンでの、先生のホンの一言がきっかけだった。


もう、うれしくて、うれしくて、時間があったら音を確かめている。だから、やらなければならない他の仕事が全部先送りになってしまうほど(笑。)


何がうれしいのって、音が変わったこともあるけれども、それ以上にうれしいのは、この歳になって、あること(できなかったこと)が「できるようになった」こと。こんな体験ができるなんて、ほんとうに幸せ、そして感動している。


そこで、考えた。「できるようになる」ための必要条件はなんだ?それをふりかえってみよう。(順不同)


1.挫折体験
程度の差はあってもよいと思うが、何らかの挫折感を味わうこと。どうも、これがないと、できるようにはならない。挫折中は、とにかく、もがいたり苦しんだり、あきらめたり、腹が立ったり、がんばったりの連続。その時は、どちらの方向へ進めばいいかわからない。いわば、方向感覚を失った状態。でも、この時何かが起き始めている。それが絶対に必要だ!


2.試行錯誤
とにかく、教わったこと、聞いたこと、読んだこと、覚えていること、いろいろ試してみる。それで解決しなくてもOK。とにかくやってみる。できなければ、挫折を味わう。でもそれは必然(笑。)


3.継続
続けること。


4.量
練習量は絶対に必要。今回、できるようになった最大の要因はこれかもしれない。退職して時間ができた(笑い。)だから、できるようになりたいことについては、優先度を上げてそれをやる時間を確保しなければならない。


5.思い
フルートの場合は、「いい音を出したい」という思い。それが、挫折中に試行錯誤を繰り返したり、それでも継続していくための原動力となる。


6.破壊((守)破離)
自分のこれまでやってきたやり方、慣れているやり方、覚えているやり方を破壊する。あるいは、これまで持っていたものをいったん捨てる。破壊し捨て去ることができるのは、挫折したときである。そして、新しく再構築する。


7.周辺知識・技術との合わせ技の追求
フルートでいえば、姿勢や呼吸に関係する、ヨガ、アレクサンダー・テクニーク、気功、ヴォイス・トレーニンの方法など。フルートに直接かかわる技術と、このような周辺の技術が意味的に附合した時、どうしてそのように吹かなければならないかが分かる。


8.基本を教えてくれる指導者
基本を教えてくれる指導者がいい。相性もある。


それと、できるようになって気づいたのだが、挫折してもがいているときでさえ、「できるようになる」ための知識や個々の技術(フルートでいえば、アンブシュア、姿勢、呼吸等々)はすべて、自分の中にあること。持っている!それの正しい使い方、組み合わせ方を知らないのだ。


こんなプロセスを進んでいると、あるとき必ずできるようになる。証明したことはないけど、何か確信に近い感じがするのである。


そこで、もう一つ気がついた。これらのことは、指導者を除けば、すべて自分(個人)が体験し、解決していくことである。それは素晴らしいことだ。しかし、問題がある。「いつ」できるようになるか分からない。できるようになるのにどれくらいの時間がかかるか、その見当がつかない。運がよければすぐにできるようになるかもしれないし、ボクのように13年かかるかも知れない。もっと早くそうなりた〜〜いっ!どうする???


答え:ヘルピング(支援)者。挫折のときには、聴いてくれ、試行錯誤のときには、アイデアを引き出してくれ、知らないときには教え指導してくれる存在。教え、支援し、傾聴し、促進してくれる存在。


そんな存在が組み合わされば、もしかして「できるようになる」までの時間を劇的に短縮できるのではないか!?そこに、コーチや(キャリア)カウンセラー等の存在意義があるんだろうなぁ・・・


素人の趣味にすぎないフルートで体験したことだけれども、結局は自分の人生、仕事人生も同じなんだろう。そんな思いを強くした、フルート体験であった。


と・・・これを書いている現時点で、すでに次の課題ができてしまい、またまた音に四苦八苦している(笑い。)でも、今度は早いと思うよ。なぜなら、解決能力が格段に上がっているから・・・