認知行動療法

今朝、NHKの朝ドラを見ていたら面白い場面に出会った。若干、記憶があやしくなっているがだいたい以下のような流れであった。(時代は戦時中。)


主人公の女の子(10歳)は背が高く、近所のガキ大将から「電信柱」とあだ名されからかわれていた。自分も背が高いことをずっと気にしていたところに、それをあからさまに言われたので、女の子は暗い気持ちになっていた。


その子は盆踊りが得意で、次の盆踊り大会に出るのを楽しみにしていた。しかし、ガキ大将がその子をからかおうと手ぐすね引いて待っているのを知って、今年の盆踊りに出るのは止そうと決めた。


そして、その子はご先祖様の仏前で、これ以上背が伸びませんように・・・と真剣にお願いした。


そこに、大好きなおばばが来て言った。

おばば「その気持ちはわかるよ。でもそれは無理だよね」
女の子「うん・・・」
おばば「でも、もう一つ、これならお願いできることがあるよ」
女の子「・・・???」
おばば「あのね、そういうふうに言われても、気にならないようにしてくださいって。これなら叶えてくれるかもしれないよ」


女の子はその通りご先祖様にお願いし、盆踊りに参加した。予想通り、ガキ大将が「電信柱〜」と大声でからかったが、女の子は努めてそれを気にしないようにした。


ガキ大将は、期待した反応が得られないのに驚き、張り合いが無くなってからかうのをやめた。そしてその場からいなくなった。


おばばがやったのは、その子の認知の転換であった。女の子はおばばが言ったことを理解し、ご先祖様に何度もお願いし、盆踊りの場で実行に移した。


女の子が自分の認知を転換することにより、行動変容を起こしたという話しであった。おばばは、素晴らしいカウンセラーだった。


ドラマとはいえ、なかなかいい場面だな、と思った。論理療法や認知行動療法などと難しい言葉を使わなくても、些細な日常会話の中で十分なカウンセリング・プロセスが働くもんですね!