サニー・ハンセン氏来日中止

来月12日、13日で講演会とワークショップの開催を予定していた、サニー・ハンセン先生の来日が突然中止になった。ご病気だそうで、こればかりは何ともいたし方ない。ご回復をお祈りするばかりである。


昨年来、開催に向けての準備をしたり、また、ILP: Integrative Life Planning(統合的ライフ・プランニング)の勉強会を開催したりしてきただけに、まぁ、ショックといえばショック。でも、今は、撤収作業に追われ、あまりそのような実感をともなわないいそがしさの中にいる。


しかし、ご本人には会えなかったが、本イベントの企画を通してたいへん大きなものをいただいた。


この本、3回は読んだかな。辞書なしの飛ばし読みなので、かなりスカスカな感じで読んだのであるが、だいたいの内容は理解したつもりである。こんなに一所懸命読んだ英語の本は、そうざらにはない(笑。)


そして、理解よりももっと大きかったのは、ハンセン先生の理論はもちろん思いというか思想に共感し、冗談抜きで、自分の人生観が変わっていくきっかけを与えられたことだった。


何となくぼやーっとしていた、自己のアイデンティティーに関する部分が、ILPによって「あっそうか、そういうことだったんだ・・・」というような、一種のすっきり感のようなものが得られたのである。


例えば、これは諸先輩方々に怒られそうだが、一番納得したのがジェンダー。この言葉は知っていたが、自分に当てはめて考えたことはなかった。そして、その意味するところが、現実的な実感を伴ってわ・か・っ・た!


それと家族(family)。家族の意味。家族と仕事をつなぐことの意味。ミクロシステムとしての家族の意味と位置づけ(ブロンフェンブレナー/コミュニティ・アプローチより)。


システムズ・アプローチやコミュニティ・アプローチについても、かなり具体的なイメージを持てるようになった。キャリア開発支援におけるILPの位置づけも何となくわかった。


この本と、志を同じくするSさんが紹介してくれた「嗜癖する社会」「嗜癖する人間関係」「コミュニティ・アプローチ」、そしてボクの大好きなフォーカシング、アレクサンダー・テクニークたちと、合わせると、それはもう、最強の社会変革ツールとなっていきそうな予感がする(笑。)


そんなたくさんのものをくれた。そうそう、自分が何となく開けてきた感じがするのだ。


しかし、だんだんと、失ったものは大きい・・・感じがしてきた。残念はもちろん、ちょっとした寂しさや、悲しい感じも少しある。


ボクのgrieving cycleはもう始まっているのだろう。そうすると、この文章がまず最初の、grief work...ってところかな。