CMのキャッチコピー

電車の貼り広告に「男はRootsで立ち向かう!」というのがあった。


うぅ〜ん「男」で来たか・・・と思った。どっちの消費を狙っているんだろう?男か女か?いちおう、表面的には男に思えるが・・・昔、男は黙って○○ビールという宣伝があったが、これは明らかに男に訴求し男の消費を狙っていた。


ジェンダー意識が微妙に変わりつつある今の社会、旧来のジェンダー役割ステレオタイプを全面的に出したこのようなキャッチコピー。はたしてどのくらい今の消費者に受け入れられるだろうか?なかなかおもしろい問題だと思う。


これと逆の現象が前からある。〜女(じょ)、女子会、その他「女」のつく造語で、やたらと女の関心を引き消費をあおろうとするものである。女性の社会進出や元気な女性たちにスポットライトを当て、一見ジェンダー意識の変化を称賛しているようにみえるが、ボクは何となく違うと思う。


つまり、旧来のステレオタイプを、うま〜くカモフラージュして気づかれないようにし、利用して、販促してようとしている・・・と勘ぐれるのだ。


女性たちへの称賛どころか、逆に、これまでのジェンダー役割ステレオタイプの強化につながりそうな気がする。そして、先の「男は・・・」も然りである。


そう考えると、ジェンダーというのは、マーケティングに取ってはまったく好都合なアイデンティティである。手を変え品を変えて、ディテールは工夫を凝らすが、結局は男らしさ、女らしさに訴えればいいわけで、単純明快そのものなのだ。


ジェンダー役割ステレオタイプがもしも消滅したとするならば、広告の世界、消費動向など、ボクたちの想像もできないくらい変わってしまうだろう。はたして、どんな社会になるのだろうか?


ちなみ、アン・ウィルソン・シェフは「嗜癖する社会」の中で、このようなコマーシャルのことを述べていた。


電車内の広告を見て、こんなことを考えた。