家族の描き方 3

おひさま家族考・・・


ある意味、この家族は今の日本が目指すというか欲しいというか望んでいるというか・・・一つのこれからの日本の家族モデルかな。


個々の多様性の尊重と家族というコミュニティーへの包括性。違いを尊重しながら受け入れて一つの家族を作りあげる。しかも、そのコミュニティーに、家族外の人も柔軟に受け入れ、その人たちが、またその人らしさを発揮する。


源家族夫婦(夫、妻両方)、主人公の夫婦は、一見、男性が主で女性が従のようではあるが、実はそうではない。お互いが、それぞれ今必要なできる役割を果たし、一人がたいへんな時は、もう一人がカバーし助ける。物理的にも心理的にも。ステレオタイプによって役割を固定せず、柔軟にシェアしている。


よく話し合う。事柄だけでなく感情も出す。アサーティブに(笑。)身体接触(ハグ、抱擁、肩に手を置くタッチ)が男も女も多く、温かみを感じさせ、癒し効果を発揮する。


職業、出身地、お金の有り無し、勉強のできるできない、もちろん男女、に対する偏見を持たず、一人ひとりの個性を見出し受け入れる。


登場人物全員が、生きる意味を真剣に考え悩む。転機を自分の意思で乗り越えていく。もちろん、周囲の助けを得ながら、でも自分で意思決定しつつ。


安曇野の自然は美しいのだが、それ以上に感じるのが、優しいやわらかい感じ。うぅ〜ん、日本!


サニー・ハンセンがいうところの、グローバルな仕事、仕事と家族家庭の繋がり、ジェンダー、多様性尊重と包括性、多元性(multiple identity)、精神性と人生の意味や目的、そして転機を乗り切る方策と勇気と思い。これらが全部詰まっている。


このように考えると、いかにも米国的だが、おひさま家族はやはり日本だ。こんな家族、昭和の時代にホントにいたのか、とちょっと疑わしいところもあるが、でも、昭和の日本を感じさせる。アメリカでもヨーロッパでもない。

(そういえば、むかし、NHK大草原の小さな家アメリカの家族を描いていたな。あれは、明らかに父親が家族長だった。)


などと、ちょっと理屈っぽく、この家族を見るととてもおもしろい。今まで見た朝ドラの家族(つばさの家族、ウェルカメの家族、げげげの家族、鉄板の家族)の中で、ちょっとよすぎるきらいはあるが、もっとも現代的というか、近い将来を象徴させようとしている家族かな(笑。)